「大坂なおみ選手の大躍進に学ぶ」

こんにちは。

季節の変わり目で体調管理が難しい今日この頃ですが、

いかがお過ごしでしょうか?

今日は少し前に話題になっていたテニスのことについて書いてみたいと思います。

 

大坂なおみ選手が全米オープンテニスで日本人初の優勝を遂げました。久しぶりの明るいニュースでした。

先日まで東京立川で行われた東レパンパシフィックでも、惜しくも優勝は逃したものの、準優勝という素晴らしい結果を残しました。大坂選手の強さについて、スポーツニュースの特集などで多々取り上げられています。

全米オープンの決勝戦では、大坂選手もあこがれていたセリーナ・ウィリアムズ選手と対戦。

ウィリアムズ選手が審判に暴言を吐くなどハプニングが続き、会場は異様な雰囲気に包まれていました。

その中でも20歳の大坂選手は、自分のやるべきことに集中して自分の力を発揮しました。

 

大坂選手がなぜ勝てたのか。いろいろな要因があると思いますが、新しいスタイルを手に入れたことが勝因のひとつだといわれています。彼女はもともとパワーに頼るテニスをしていました。パワーがあるので波に乗っている時はよいのですが、ミスが多いという欠点もありました。

 

そこで手に入れたのが「我慢のテニス」です。

「我慢のテニス」というのはすべて全力で打たないコントロール重視のテニスで、課題であったミスも大幅に減ったそうです。ゲームの中でメリハリをつけて戦うこと、100%の力でやる時と60~70%の力でやるときの見極める力を身につけたことが勝利につながったといわれています。彼女は「我慢のテニス」を手に入れるために、7㎏の減量に取り組み、体幹を鍛えるために筋力トレーニングをしたそうです。

 

また、コーチとの出会いも重要なポイントだったようです。ゲームの合間にネガティブな言葉を発している大坂選手に対し、コーチはとなりにしゃがんで「ポジティブにいこうよ。」と笑顔で優しく語りかけているのが印象的でした。日本のこれまでのスポーツでは見慣れない光景です。

日本だとネガティブな言葉を発したら「気合が足りない!」「根性なし!」と上から言われてしまいそうです。反骨心で立て直せる選手もいるのでしょうが、大抵の場合、余計に委縮してさらに思い切ったプレーができなくなり、負のスパイラルに陥って本来の力を発揮できなくなってしまうと思います。ネガティブな言葉も、信頼できる人でなければ言えないのではないでしょうか。異様な雰囲気の中でも気持ちを切り替えてプレーできるようになったことも勝利につながったのだと思います。

 

100%か70%か見極める力と、自分のエネルギーの配分をコントロールするスキルを身につけておく必要があると思います。さらに、安心して本音を吐くことも重要です。他者を気にして、また自分に厳しくするあまり、弱音を吐くことが許されない状況にある方も多いでしょう。時には気合で乗り切らなければいけない場面もあるかと思います。

でもいつも厳しくしていたら、やはりどこかで限界がきてしまうものです。自分の気持ちを表現することもこころの健康にはとても大切なことです。また、不安な気持ちや悲観的な考えが浮かんでも、それにとらわれず、

今やるべきことをやる、という姿勢は仕事をする上でもとても重要です。

「我慢のテニス」や、気持を表現したり切り替えたりすることも、新しいスキルを身につけることになります。

 

大坂選手がトレーニングを積んだように、新しいスキルを使えるようになるためには練習が必要です。

当院リワークでは、これまでとは違う方法でもストレス状況に対処できるようになることを目指しています。認知行動療法やアサーションなどのプログラムを通して、新しいスキルを学び、リワークという環境の中で練習します。慣れないうちは戸惑いもあるものですが、新しいスキルを身につけるとストレス状況への対処法が増え、より生きやすくなると思い

ます。一見関係のないスポーツにも、ストレス対処に使えそうなヒントがいっぱい詰まっています。大坂選手からはこれからもいろいろと学べそうですね。


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