ポジティブなとらえ方を習慣化していこう



こんにちは。まだまだ蒸し暑い日もありますが、朝晩は涼しく

なり、少しずつ秋の訪れを感じるようになってきましたね。

 

さてあなたは秋の訪れをどのようにとらえるでしょうか?

 

今年も残り数か月、1年ってあっという間。また1歳年を取ってしまった。寒い冬がやってくるから嫌だな。…などと

ネガティブに考えますか?それとも、まだ数カ月もある、今年は暑かったけど、ようやく涼しくなり熟睡できるなあ。秋の味覚や紅葉の中を散歩するのが楽しみだ。…などとポジティブに考えますか?

今日は、人それぞれがもっている、ものごとの受け止め方、認知のクセについて考えてみたいと思います。

 

同じような状況でも、ストレス反応が出やすい人と出にくい人がいるそうです。

この違いはものごとの受け止め方、認知的評価のクセによるものと言われています。ビジネスにおいて同じような失敗をしても「取り返しのつかないことをしてしまった、どうしよう。」とパニックになる人もいれば、

「どうしたら挽回できるだろうか」「同じ失敗を繰り返さないようにしよう」と前向きに気持ちを引き締める人もいます。

 

ストレス反応を防ぐためには、ものごとを前向きに受け止めることが大切です。そのためにはポジティブな認知的評価の習慣を身につけることが必要となってきます。一方で、慎重にものごとを進めリスクを回避したり、安易に妥協せずに新しいアイデア追求していくなど、ネガティブ思考にも適応的な側面があります。

そのため、物事を多角的に捉え、バランスよい認知的評価が大切です。

 

今回は、特にネガティブな評価になりやすい人に向けて、バランスをとるためのヒントをお伝えしていきたいと思います。

 

ポジティブ心理学の提唱者セリグマンは、ある生命保険会社の外交員を対象に説明スタイルをチェックする楽観度テストを行い、楽観的な人の方が、厳しい仕事でも離職率が低く、実際に成果を出していることを確かめました。

成功するには、けっして諦めない粘り強さが必要で楽観的な説明スタイルが粘り強さのカギになると考えました。

楽観的な人は、「一時的・特定的・外的」にとらえる認知のクセ(ポジティブな説明スタイル)があり、

悲観的な人は、「永続的・普遍的・内的」にとらえる認知のクセ(ネガティブな説明スタイルがあるそうです。

 

セリグマンは、困難な状況でもけっして諦めないのはどのような人かについての研究において

[①永続性、②普遍性、③個人度]という3つの次元を抽出し、それによって楽観的な説明スタイルと悲観的な説明スタイルを特徴づけています。

[①永続性…その出来事や状況がこの先も長く続くと思うか、一時的なものと思うか]

例)だれかから感じの悪い態度を示されたとき、頑張ったのに成果が出せなかったとき


楽観的→「あの人はときどき感じの悪いときがある」「最近どうもうまくいかない」

悲観的→「あの人はいつも感じが悪い」「頑張っても、どうせうまくいくはずがない」

 

 

[②普遍性…その出来事や状況に対して、それを特定化するか、普遍化するか]

例)ずるい経営者に痛い目にあわされたとき、調子の良い業者に迷惑をかけられたとき


楽観的→「あの経営者は信用できない」「あの業者は口先だけで調子のいいことを言う」

悲観的→「経営者なんて汚いやつばかりだ」「業者なんてみんなそんなもんだ」

 

 

[③個人度…何かが起こった時、それを内的要因のせいにするか、他人や状況など自分以外の要因のせいにするか]

例)仕事がうまくいかず、なかなかノルマを達成できないとき


楽観的→「だれも教えてくれないんだから仕方ない」「このところついてないんだ」外的要因

悲観的→「僕は無能な人間だ」「私には営業の適性がないみたいだ」内的要因

 

 

もし自分にネガティブな説明スタイルが染みついてしまったと感じる場合は、「一時的・特定的・外的」なポジティブな説明スタイルを意識して、少しずつバランス良く捉えられるように心がけてみてはいかがでしょう。

 

当クリニックのリワークでは、休職に至った振り返りから自身の認知行動パターンに気づき、新しい認知行動パターンを実践していただけるようなプログラムを構成しております。

見学・相談も随時受付しております。お気軽にお問合せくださいね。

 

参考文献:榎本博明 著『心を強くするストレスマネジメント』2017.4 日本経済新聞出版社

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