変わらないことが変化の一歩に

みなさん、こんにちは。
11月もあっという間に過ぎ去り、気付けば師走が近づいてきましたね。
1年を振り返り締めくくる季節がやってきました。

年々、時間の流れが速くなるのを感じながら、
今年を振り返って、「1年前の自分と比べて何が変わったのだろう」と、
自分におきた変化や成長を省みる時期でもあります。

私自身もそうではありますが、
人は自然と今よりもいい人間になろう、成長しようと自ら目標を定めて、
それに向かって一歩一歩進もうとします。それは素晴らしいことです。

しかし、「今、ここ」での気づきを重視するゲシュタルト療法の中では、
ベイサー博士が説いた【逆説的な変容の理論】という考え方が重要視されています。
今日は【逆説的な変容の理論】についてのお話しです。


ベイサー博士によると「変化は人が自分自身である時に生じるのであって、
自分自身でないものであろうと努めている時には生まれない」と言われています。

今よりもよくなろうと努力する時、実は今の自分が出来ていないことから生じる「理想の自己像」をイメージをしています。
また、自分の行動や習慣がよくない、悪いと判断して「もっと良い行動をしよう」「もっとより人間的になろう」と、目標を設定します。

そのような努力は実は自己否定の上に成り立っているため、決して成功はしないと言われています。
今の自分を受け入れずに、新しい自分になることはない、という考え方です。

例えば半身麻痺を抱えた人が、麻痺が生じる以前に戻ろうと努力した場合を考えてみましょう。
努力が奇跡的に実ることがあるかもしれませんが、思うように成果が出ず、
失望したり、自信を無くしたり、麻痺があることに対して絶望をすることがあると思います。
に頼るのもプライドが許さないことでしょう。

ですが、半身麻痺で思うように体を動かせないことを受け入れられたらどうでしょうか。
受け入れることは苦痛を伴うことではあります。
ですが、以前に戻ることが難しいことを一度受け入れてしまえば、
麻痺を抱えながらどうやって生活しようか、どこまでが自分でできて、
できない所はどうやって人に頼ろうなど、具体的な問題解決や行動へと向かっていきます。

「今の自分」を無かったことにせず、「今の自分」の良いこと悪いこと含めて、
全てありのままに受け入れた時、変化は自然に起きてくる、それが【逆説的な変容の理論】です。

もし本当に変化や成長したいならば無理やり変わろうとせず、
ありのままの自分をしっかり見つめて受容するということが大切なプロセスです。
かけがえのない自分を、誰よりも自分が1番大切にしてあげてくださいね。

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