怒りの気持ちをコントロール

こんにちは。先週から雨続きで気温も急激に下がり寒い日が続いていますね。体調を崩している方も多いのではないでしょうか。秋雨前線が日本列島に滞在し、今週末は台風がやってくるかもしれません。私は先週末に静岡に行ってまいりました。久しぶりに間近で富士山を拝めるなぁと期待していましたが、あいにくの雨で見えるのは雨雲に見え隠れする小さな山ばかり…富士山のかけらも見ることができませんでした。そのうえ洗濯物が乾かない、傘やレインコートで荷物が増える、冷たい雨に服が濡れて寒い…雨なんか大嫌いだ!とついついイライラがつのってしまいます。
そんな気持ちをひきずりながら今日は、怒りについてのお話です。

怒りのしくみ
怒りは「喜怒哀楽」の中の感情の一つです。もっとも根源的な怒りとは「自分を傷つけるものへの怒り」です。原始時代、人は獲物をとるか獲物になるかしかない状況の中で、危機に立ち向かうために交感神経を高めて怒りのパワーと瞬発力で危機を乗り切ろうとしてきました。現在の私たちにも原始時代を生き抜いた時代の脳が残っています。怒り自体は悪くない自然な感情ですが、その表現方法には注意が必要です。

怒りは自分と周囲を傷つける
怒りをぶつけた時、怒りをぶつけられた人の反応はどうなるでしょうか?自分を守ろうとするため怒りで対抗する、その人の近くにいたらまた傷つけられるのではないかと思いその人との距離を置く、怒られたことによる不愉快な気分が持続し自分よりも立場の弱い人に怒りをぶつけてしまうなど、怒りの悪循環が広がっていきます。
一方、怒りをぶつける人は、怒りを爆発させた後に疲労感が残ります。怒りはたくさんのエネルギーを消費するからです。その後「怒ってしまった」という自己嫌悪や「悪いことをしてしまった、あの時こうすればよかった。」などの後悔が出てきます。イライラをコントロールできないと助けを求めたい時に誰も助けてくれないなど苦しい状況を打開できるチャンスを逃したり、怒りを爆発させてしまったことでせっかく築き上げてきた人間関係を台無しにしてしまったりとビジネスでもダメージを負うことになります。
そのような不幸な事態にならないためにもアンガーマネジメント(怒りのコントロール)のポイントをご紹介していきます。

アンガーマネジメントのポイント
①ひと呼吸おいてみる
自分の中に怒りの衝動が込み上げてきたら、とにかくひと呼吸おきましょう。6つ数えると良いそうです。怒っている時は「アドレナリン」というホルモンが分泌されますが、6秒後にはピークが過ぎるといわれているからです。怒りを感じたらただ我慢せずに指を使って数えてみる、英語でカウントしてみる、服の上から数字を描く、感情抑制する働きのある前頭葉がある“おでこ”を触るなどどこかに意識を向けてみましょう。

②セルフトークを使ってみる
セルフトークとは心の中でつぶやく言葉です。人から失礼な態度をとられたり、あからさまに嫌味を言われた場合、心の中でどんな言葉を発するかで怒りの衝動の行く末が大きく違ってしまいます。「あの人は許せない」「そこまで言わなくても」「もう我慢できない」などといったセルフトークを使うと許せない思いが膨れ上がり、我慢ができなくなっていきます。
一方「ああいう人もいるのだな」「よくあることだから仕方ない」「大丈夫、落ち着いて」などといったセルフトークを使うと、たいしたことではないような気がしてきて、気持ちが落ち着いてきます。ポジティブなイメージに集中することで怒りが和らいでいきます。

③役割に徹してみる
人から理不尽なことを言われた場合は、自分の役割に徹してみましょう。上司から理不尽なことを言われたら部下という役割に徹する。受付でお客様に理不尽なクレームを言われたらお客様をお世話する受付の役割に徹するなどです。そうすることで怒りを爆発させる危機を避けることができます。

④視点を変えてみる
ちょっとしたことでイライラしがちな人は一つの視点に凝り固まるクセをもっています。柔軟な視点に変えることができれば、それほどイライラしなくてすみます。例えば、約束の時間に相手が来ないときは、「遅いな、もう時間を過ぎているじゃないか、こっちのことを見下しているな、失礼じゃないか」などと自分に不利な視点に着目しているとイライラが募ります。「何か電車の遅延や事故があったのかもしれない。最近多いからな。」と相手の状況になって考えてみたり、「連絡しておいて、ちょっと周囲を散歩してみるか。」など自分に有利な視点から眺めてみてください。そうすることでイライラが解消されていきます。

⑤読み替え力を使ってみる
人の気持ちを考えないでものをいう人が身近にいる場合、毎日その人とかかわっていくことは大変ですが、イライラを必死に抑え接していかなければなりません。そんな時は、相手の言葉を自分に都合の良いように翻訳してみます。
「そんなこともできないのか」→「そのくらいできるように成長しろってことか」
「ほんとに使えない人ね、もっと頭使って考えて」→「そんなにムキになるなんて、よっぽど私に期待しているのね」
などと前向きに自分に都合のよい読み替えをしてみましょう。このような読み替えをおこなっていくと大抵のことには耐えることができます。

いかがでしたか?怒りはその時の自分自身の体調、悪天候や満員電車の中など環境から受ける不快感、かかわりを持った人の言動から受けるストレスと日常の些細な出来事からたびたび私たちの心に沸きあがってくる感情です。怒りは自分自身と周囲の人を傷つけ、社会生活を順調に送ることを阻みます。自分に合った怒りのコントロール方法を取り入れ、怒りに飲み込まれないように過ごしていきましょう。

 

当院クリニックの情報

  • 所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿2-1-1 白鳥ビル2F
  • 電話番号:03-4405-6946(リワーク直通、10:00~18:00)
  • リワークは毎週月~金(10:00~16:00)でプログラムを行っております。
  • 見学相談は、16:20から1時間程度、HPでも、お電話からでもご予約いただけます。
  • 見学相談は、人事などご本人様でなくともご参加いただけます。
  • リワークは、当院にお罹りでない方でもご利用いただけます。