ミルクの壺に落ちた蛙のはなし
こんにちは。お盆休みに入りました。晴れ続きの7月とは違い台風が去ったあとの8月は曇りの日が多く比較的過ごしやすい日が続いていますね。先日、友人と新しくできたブックカフェに行ってみました。アンティークなデザインのインテリアにゆったりとしたソファー、美味しいコーヒーとシフォンケーキでのんびりとした時間を過ごせました。テーブルの脇にはカフェでセレクトした本が所々に並んでいて、ふと目を向けると伊藤若沖の画集が…色鮮やかな動植物の作品を眺めておりました。なんとなく最近話題になっているな~と思っていたのですが、「そうそう、この間、姉が展覧会に行ってきたみたい。」と友人。2016年が江戸時代に活躍した画家、伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)の生誕300年で、昨年から各地で大規模な絵画展イベントが開かれていたのですね。1冊の本から話題って広がるものなのだわと感心しながら、読書の秋ならぬ暑い夏の日にブックカフェ!もなかなかおすすめでした。今日は、最近読んだ本で印象深かった心理学者アルフレッド・アドラーの名言をご紹介します。
“2匹の蛙がミルクの入った壷に落ちました。1匹は「もう終わりだ」と泣き、溺れ死ぬ覚悟をしました。しかし、もう1匹は諦めず何度も脚をばたつかせると、足が固い地面をとらえました。何が起きたか?ミルクがバターに変わったのです。”
実際に蛙がバターを作ることができたのかはわかりませんが、アドラーは遺伝や育った環境などの「原因」により行動が規定されるのではないと考えました。自分の意志でいつでも自分を変えることができると「目的論」と「自己決定性」を唱えました。
今、ミルク壺の中で溺れてどうしようもない状況の方は、アドラーの言葉を聞き少し未来に目を向けてみてください。過去の出来事、置かれた現状に不満を抱くことはよくあることですが、不幸な境遇や起きてしまった事を嘆いても何ら自体は好転しません。あるのは今と未来だけです。なかなかうまくいかない状況にあっても、もうダメだと思って何もやらないよりは、今やれることを試行錯誤してやってみる方が現状を切り開くことができると思います。またアドラー心理学の「目的論」は、人間の行動や感情はその人の目的達成のために使われるという考え方です。ただ目的に向かう道が1つであるとは考えません。失敗しても、「もうダメだ!」と考えずに「こっちがダメならこっちの方向に進んでみよう!」と反省して再チャレンジして目的に向かえばいいという考え方です。別の道があることを知れば心が折れにくくなると言っています。
過去の出来事、置かれた状況に不満を抱き、心が折れそうになる出来事は度々私たちを苦しめますが、「認知」や「意味づけ」を変えることで、いかようにでも反応すなわち思考、行動、感情を変えることができるそうです。過去にとらわれ悶々と悩むより未来に目を向け、今できることを行動してみることでだいぶ生き方が楽になるのではないでしょうか。
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