新米日記 5粒目【知ってたつもりのストレス・後編】
こんにちは、新米臨床心理士のM美です☆
梅雨は身体もこころも気だるい季節ですね。
この時期は特に自律神経が乱れやすくなっているので、お風呂の際はゆっくり湯船に浸かったり、晴れた日はなるべく太陽の光を浴びたりしましょう!
先週に引き続き、今週も【ストレス】をテーマにお伝えしていきたいと思います!
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M美:「I先生、今週もよろしくお願いいたします!」
I先生:「はい、よろしくお願いします。」
М美:「先週はアレルギーに例えて『ストレッサー』や『ストレス反応』について説明していただきましたが、ストレスを感じている時って身体では何が起こっているんですか?」
I先生:「先週お話した通り、『ストレス』とは外側からのさまざまな刺激と私たち自身に起こる反応を足したものでしたね。脳がストレッサーを感知すると、脳ではストレス状況から身体を守るために、『ストレスホルモン』と呼ばれるコルチゾールやノルアドレナリン、アドレナリンなどのホルモンを分泌し、自律神経の活動を促し、交感神経の興奮を強めます。このような様々なホルモンの働きによって、代謝が促進したり、心拍数の増加や血圧の上昇、血糖値の上昇などの反応が生じます。」
M美:「うーん…いまいち何故このような反応が身体を守ることになるのかピンとこないのですが…」
I先生:「血糖値が上がれば脳へ栄養が届きやすくなりますし、心拍数や血圧が上がれば全身へ血液を送りやすくなります。つまり『闘い』への準備なんですね。」
M美:「なるほど!不快だと判断した刺激に対して『勝たねば!』といった反応が身体に起こっているんですね!」
I先生:「自律神経には交感神経と副交感神経がありますね?わかりますか?」
M美:「はい!ざっくり言うと交感神経が活動させる神経で、副交感神経がリラックスさせる神経ですよね!交感神経が優位になると、瞳孔が開いたり呼吸や脈拍が早くなったり、胃腸の働きを抑制したりします。…あ!これも『闘い』への準備なんですね!」
I先生:「そうです。例えば、失敗できないここぞ!という大切な場面において、このようなストレス反応が生じてくれることで、いつもより頭がしっかりと働いたり集中したりすることで私たちは困難を乗り越えることができるのです。」
M美:「『ストレス』って悪者だと思っていましたが悪いだけじゃないんですね!」
I先生:「たしかに過剰なストレッサーとストレス反応は心身の不調を招くもととなりますが、私たちがストレッサーに適応できる能力に見合った適度のストレス反応は、私たちを鍛えてくれると共に、私たちの生活に活力をもたらすといった側面もあると言えますね。しかし、脳をはじめ身体がストレスに対処できるように生じる反応は、免疫力の低下や自律神経の安定・バランスを引き換えに生じる反応でもありますので、やはり注意が必要です。」
M美:「はわ〜なかなか難しいですね…ストレッサーになるか否かはその観察対象に対してストレス反応が生じるか否かであると教えて頂きましたが、なんでそう判断しちゃうんでしょうね…」
I先生:「例えば上司が腕を組んでいたとしましょう。上司が腕を組んでいる出来事をネガティブな解釈を行うとどうなるでしょう?」
M美:「私に怒っているから腕を組んでいるんだ、とか?」
I先生:「そうですね、そして何でいつも怒らせてしまうのだろう、申し訳ないといった悲しみや罪悪感がうまれてくることでしょう。つまりストレス反応が生じます。その結果、その上司を避けてしまい、もっと1人で問題を抱え込んでしまうかもしれません。しかし、ここで重要なのは『腕を組んでいる上司』は現実に存在していますが、『怒っている上司』は自分の解釈であって現段階では本当かどうかはわからないという事実です。」
M美:「た・た・た・たしかに〜!!!」
I先生:「しかし『怒っている上司』と解釈した結果、悲しい気持ちになったり申し訳ない気持ちになったりしていますよね。ストレスの根っこというのは『頭で思っていることを現実のものとして考えている』ことなんですよ。」
M美:「『腕を組んでいる上司』という現実と『私が怒らせてしまったから腕を組んでいるんだ』という頭の中の解釈が混ざってしまっているというわけですね!たしかにこのようなネガティブな思考パターンが毎回続いてしまうとその都度多くのエネルギーを使ってしまいそうですね。」
M美:「こういった思考パターンというのは認知行動療法などで変えることはできるのですか?」
I先生:「これまでの研究の成果によって、認知行動療法は思考を変えることはできないが、観察と解釈の間隔を取ることはできるということが明らかになってきています。」
M美:「なるほど…?(よくわからない)」
I先生:「観察と解釈の間隔を取れるということはつまり客観的に自分を見ることが出来るということです。先ほどの例で言いますと、『腕を組んでいるだけの上司を怒っていると思っちゃう自分がいるなあ』と少し離れたところから自分を見ることができるということです。」
M美:「頭で思っていることと現実を区別するということですね!!!」
I先生:「そうです。思考パターンをそっくりそのまま変えることはできませんが、客観的に自身を観察できるようになることで『怒っていると思っちゃう自分がいるけれど、よく観察してみたら腕を組むのが癖なだけで怒っているわけではなさそうだ』という新たな解釈を生むことが出来るのです。」
M美:「腕を組むことが癖なんだと解釈したら同じ出来事なのになんだか安心感がありますね!」
I先生:「不思議ですよね〜思考によって行動も変わってきますから、『ならこの仕事のことを相談してみよう』とその上司に話しかけることができるようになるかもしれません。」
M美:「頭の中と現実が混ざっていないかご自身で少し気にかけてみるだけでも違うかもしれませんね。今は認知行動療法に関する良い本もたくさん出ていますし。もちろんコーチとして専門家の力を借りることも1つの手ですね!」
M美:「I先生、とても勉強になりました!ありがとうございました!」
I先生:「はい、また何でも聞いてください。」
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いかがだったでしょうか?
ストレスの根っこの話はぜひ頭の隅にでも置いておいてくださいね♪
I先生が監修しましたストレスに関する記事もこちらから読むことができますので、ぜひ読んでみてください♪
http://mens-skincare-univ.com/article/040268/
では、また来週お会いしましょう〜
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