新米日記 3粒目【心と身体のアンバランス・うつ・後編】
日差しが強い日が多くなってきましたね。
今の時期からUVケアをしっかりとしていきましょう!
こんにちは、新米臨床心理士のМ美です。
前回は、『うつ』の発症に大きく関係している大きなストレスと小さなストレスについてお話ししましたね。
【うつ・後編】の今日は、いよいよ『うつ』の治療についてお話していきたいと思います!
М美:「О先生、本日もよろしくお願いします!」
О先生:「こちらこそよろしくお願いします。」
М美:「前回、脳とこころのエネルギーが自然回復不可能なほど減ってしまった場合、まずは精神科・心療内科クリニック等の医療機関にかかることが重要であると教えてくださいましたね。」
О先生:「そうですね。今後の治療計画を立てる上でも専門家に現在の状態を見てもらうというのはとても重要なことです。」
М美:「脳とこころのエネルギーを回復させるにはどういった治療があるんですか?」
О先生:「治療は大きく分けて2パターン存在します。枯渇してしまったエネルギーをコツコツ貯め直すという治療と、何をするにも脳やこころのエネルギーは使われますのでその1つ1つの浪費量を減らしていくという治療です。」
М美:「エネルギーを貯め直すという治療と1つ1つの浪費量を減らす治療?」
(М美:薬物療法や心理療法のことかな???どっちがどっちだろう???)
О先生:「М美さん、大丈夫ですよ。ちゃんと1つずつ説明していきますので。」
М美:「はい!お願いします!」
М美:「では、まず枯渇してしまったエネルギーをコツコツ貯め直す治療とはどのようなことを行うのですか?」
О先生:「これがいわゆる薬物療法と呼ばれるものです。ご自身の自然治癒力を少し手助けしてあげる方法ですね。お薬によってエネルギーの出口にあたるところを塞ぎ、自然治癒力によって回復するエネルギーを溜まりやすくしていきます。」
М美:「お薬って飲んだ分だけエネルギーになるんだと思ってました!そういう仕組みだったんですね!」
О先生:「お薬はそんなに万能ではないんですよ~それにお薬の治療には好き嫌いがありますし、抱えている問題によっては薬物療法があまり効果的でない場合もありますので、そのような場合は心理療法がおすすめになってきます。」
М美:「ということは心理療法がもう一方の1つ1つのエネルギー浪費量を減らしていく治療ということですか?」
О先生:「そうですね。ごはんを食べる、人と会う、音楽を楽しむといったすべてのことにエネルギーは浪費されていきますので、長期的に考えると、やはりネガティブに考えがちな思考パターンや性質・性格の偏りに気づき、そもそものエネルギー浪費を減らしていくということは理想と言えますね。」
М美:「心理療法で行われる認知行動療法や対人関係療法などがこれらにあたりますね。他にもたくさんの技法がありますが、反応の仕方を変えていく点は心理療法ならではの優れた点と言えるのではないでしょうか!一方で、心理療法ではご本人が訴えている身体的な苦痛を直接抑えることは難しいという弱点がありますね。」
О先生:「たしかに心理療法は、エネルギーの回復力を飛躍的に向上させる効果やそもそものエネルギー浪費量を減らす効果があります。一方で、心理療法はじわじわ効いてくるタイプの治療なので、お腹が痛い、眠れない等の『今』感じている身体的な苦痛への対処は苦手としています。なので、お薬で身体的な苦痛をコントロールしつつ、心理療法で症状との向き合い方を変えていく、薬物療法と心理療法を併用して行うことも効果的な治療法です。」
М美:「なるほど!心理療法が効いてくるまでお薬でカバーしているんですね!」
М美:「理想としては、『うつ』の治療を行っている間は、完全に安静にしたり、寝ていたかったら寝て、食べたいときに食べるといったリラックスして過ごした方がいいのだと思うのですが、そうはいかない!!!という方も大勢いらっしゃいますよね?その場合はどうしたらいいのでしょうか。」
О先生:「そうですね、短期的に目の前の困った症状を改善するには、各々に合った治療方法を取り入れつつ、残業を減らしてもらったり、少しの間は在宅勤務にしてもらったり、通院のために勤務の時間を短縮してもらったり、部署の配置換えをしてもらったり、といった環境調整が重要になってくるでしょう。一方で、仕事に穴を開けられないと不安に思う方も大勢いらっしゃいますが、会社という組織ですからね、業務の代わりは必ずいます。気になってしまう気持ち・焦ってしまう気持ちはおありでしょうが、今は赤字状態になってしまっているエネルギーの不足分をコツコツ補っていくことを優先的に考えていきましょう。」
М美:「たしかに今後長く働くことを考えると、きちんと腰を据えて治療に専念した方が長い目で見たときのメリットはかなり大きいですね!!うつは目に見えないのでわかりにくいですが、骨折して入院している場合と同じことなんですよね。骨折した担当者の代わりは必ずいますし、しっかり治さないと後遺症が残ってしまいます。」
О先生:「その通りです、М美さん。骨折であれば骨が折れているレントゲン写真があるのですが、精神科ではそういったわかりやすいデータがありませんからね。わかりにくいところ・理解しづらいところがあるかもしれませんが、同じことなのです。」
М美:「О先生、ご解説ありがとうございました!」
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いかがだったでしょうか。
О先生のおかげで『うつ』の謎めいた部分を暴くことができました!!
誰にでも起こりうる病気だからこそ、しっかりと知っておきたいですね。
次回からはまた異なったテーマで先生方にお尋ねしていきたいと思います♬
当院クリニックの情報
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